2011年10月17日月曜日

マクドナルド、メディアになる


ロサンゼルスタイムズに、マクドナルド・チャンネルの立ち上げがニュースになっていました。


それによると、マクドナルドは、ローカルの学校スポーツ、映画の予告、地元のイベント情報など
オリジナルコンテンツを高精細で届けるマクドナルド・チャンネルを始めているとのこと。

一昔前までは、アメリカの三大ネットワークが、
ゴールデンタイム視聴者の90%のシェアを持っていました。
しかし現在、YouTubeやHuluなど、手強い競合が増え、そのシェアは低下の一途です。
また、チャンネルをすぐに変える、TVの前から離れる、など視聴を止めることは日常茶飯事です。


一方、マクドナルドを利用した方なら、オーダーするために並ぶ列をご存じでしょう。
その列から逃げ出そうとする人は、いないはず・・。
店内で食べる人は、しばらくの間そこに滞在します。
つまり、囚われの聴衆がそこにいるわけです。


マクドナルドは、世界181カ国の3万1000店以上の店舗をもち、
毎日5800万人が利用しています。

これまで店内のモニターを通じてお知らせなどを流していましたが
これを充実させることにより、自社の顧客に対する独占的なメディアになるわけです。


アメリカでは、1万1000軒以上の店舗にマクドナルド・チャンネルは導入される計画です。
店内で食べる客が1カ月で2億1600万人。
これが視聴者になり、強力なテレビメディアが誕生します。

カリフォルニアでは、州南部と中央部の約800店の店に徐々に導入される予定です。
すでにロサンゼルスとサンディエゴ、ラスベガスでテストが始まっており、
日中の視聴者が月間1800万~2000万人と期待されています。
この数は、地域で一番となります。
もし成功すれば、全国に展開される見込みです。

マクドナルド・チャンネルWebページによると、
世界的には、2010年に3000店舗でテストを行っており、
今後、シンガポール、マレーシア、タイで拡大する予定とのことです。


コンテンツ提供社として、20世紀フォックス、ワーナーブラザーズ、ソニーピクチャーズ
プレイステーション、ファイナンシャルタイムズ、NBCテレビ、ナショナルジオグラフィック、
トラベルチャンネルなどがすでにあり、
大手広告主としては、AT&T(電話会社)、コカコーラ、マスターカード、m&mなどが
上げられています。


マクドナルドのイン・ストア・チャンネル。
地域密着型でターゲット層が明確なメディアとして
既存のマスメディアを脅かす、新しい流れになりそうです。



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